あぁ…カツアゲにあってんのか…。
…なめられたもんだな。

壁に押し付けられている自分自身をあざ笑った。


「何笑ってんだよ?……なんかこーいうムダにイイ男、ムカつくんだよね」


その笑いのせいか不合理な怒りを買ってしまったようで、リーダー格の男が俺の顎をクイッと持ち上げ、にんまりと笑った。


やられる…と思った時にはもう遅く、その男はもう片方の手で拳を振りあげ、容赦なく俺の頬を殴った。



………ってぇ。

口の中に鉄くさい味が広がる。



「金はあとだ。やっちゃおーぜ」

イカれたように喜々とした表情を浮かべる3人が取り囲んできた。
しかし、彼らより頭一つ分ほど身長差があるので、俺が見下ろす形になっている。
端から見たら滑稽かもしれない。



こういうの、高校生以来だな…。やんちゃをしていた10代を思い出し、血が騒ぎ始めた。





「………わりぃな」


先に謝っておく。



俺は今、凄まじく虫の居所が悪い。