あー…楽しかった、とようやく笑いが治まったらしい沙織は、涙目で俺を見た。

「あんたもしょーもない男になっちゃったか!あーあ、次の男を見つけなきゃ」

既婚者らしからぬ発言に思わず苦笑する。


「旦那がいるだろ」

「あんたにだけは言われたくないわ!」


鋭い目でキッと睨んでくる沙織に、それもそうだな、と笑った。



「中身はともかくとして、銀次の身体サイコーだったのに」

「心外な。俺は中身もパーフェクトだ」


よく言うわよ…と沙織が冷めた視線を寄越してくる。

「ま、情けない銀次も見れたことだし、そろそろ帰るわ!」


おう帰れ帰れ、と手でシッシと払うと沙織がジロリと俺を睨みながらサングラスをかけた。