「銀次、久しぶり♪」

「久しぶり、じゃねぇよ!!何やってんだよ!!ここ学校だぞ!?」


手を離した途端、いつもの軽い調子で俺に話しかける沙織に詰め寄った。


「たまたま近く通ったし、顔見て帰ろうかな〜って。いいじゃない」

「よくねぇよ!!さっさと帰れ!」

「相変わらず冷たいこと…」


怒鳴る俺なんか気にする様子もなく、それよりさぁ…と勝手に沙織は話を進める。


「で?どうなのよ?愛しの教え子は!」


ニヤニヤ笑って言う沙織に、血管がブチ切れそうになる。


「でめぇには関係ねぇだろ!」


「ははーん、その様子じゃ、何も進んでないな〜」


沙織の鋭さにグッと言葉が詰まる。


「……う、うるせぇ!!」


何も反抗できない自分が情けない…。沙織の言う通りだった。