「誰なんだよ!」

「何でそんなこと先生に答えないといけないんですか!」

「そんなことって……!!」


俺にとっちゃ最重要事項だ!!

さっきから、誰なのかと聞き出そうとする俺と、決して口を割らない桐島との押し問答が続いていた。


「先生!それよりちゃんと勉強見てください!!最近全然やる気ないでしょ!?」


「うっ……」

それを言われちゃ言い返せない…。

「でも、知りたい……」

机に項垂れながら呟く。
……駄々っ子か、俺は。





しばらく沈黙が続いたあと、じゃあ…と桐島が口を開いた。


「……言ったら、先生何とかしてくれるんですか?」

顔を上げると、少しだけ真剣な目をした桐島がいた。