桐島が俺の部屋にいる…。

本人は苦しんでいるというのに、その事実が嬉しくてたまらない。

思えば、この部屋に家族以外の他人が入ったのは初めてだ。というか家族でさえも滅多に来ない。

ましてや、俺のベッドに他人が寝るなんてことは人生初だ。

もちろんそれは桐島だから許されること。



桐島を看病するため、薬やら体温計やら、必要なものを急いで集めた。

好きな女の子を看病することが、こんなにも嬉しいなんて…。

緩む頬を抑えることができなかった。