「お前たち二人とも十五になったな。」

意味がわからないといった様子で椿が首をかしげる

「十五年間かぁ…」

「どうしたの?お父様」

「いや、まぁ短いようで長かった…なぁと。」

「まぁ、短かったわよね、日向。」

「俺が来て十五年だな」

「その言い方、何かずるいわよ。」

くくっと笑いながら日向は

「なら、椿が生まれて十五年。」

「二人とも、聞きなさい。」