私はいつの間にか笑っていた。





「やっぱりさぁ~、由姫は笑ってた方が可愛いんだよ! 」





そんなことを言いながら、夏は私の頬を両手でつまみ引っ張る。





「いふゃいひょ~、なひゅう……(痛いよ~、夏……) 」





彼女は満足気に笑い、パッと手を離した。





私は両手で頬を摩り、誰にともなく言った。





「……もう彼氏なんかいらないよ! 今日はたくさん食べよう!! 」





「そうだよ、その息だ! 」






まだ寒い春だけど、





きっと夏がいてくれたら何でも楽しくなるから。





友達って大切だって本当に思ったんだ。





「夏っ……ずっと仲良くしてね!! 」





「何言ってんの? ついに頭までやられた? 」





確かに、そうかも知れないね。