ついに泣き出してしまった妹を見て、




なぜだか俺は悔しくなった。




こんなにも俺を支えてくれていたのに、




俺は何もしてやれなかった。




何も……




「……っ…あたし…まだ死にたくないよ。お兄ちゃん……怖いよぉ…」




妹のその言葉は、俺の胸に突き刺さる。





神様というものが本当にいるのなら、





なぜ妹を選んだのか、教えて欲しい。





そして、俺を代わりに連れって行ってくれ。





「ごめんな、俺は……」






お兄ちゃん……お兄ちゃん……と呼びながら、妹は旅立った。





俺は最後まで、手を握ることしかできなかった。