私は大事なそっくりさん



「だからって、あんなことしなくていいじゃん! 」




夏はさも自分がやられたかのように、怒っている。




「ねぇ、エリ先生」




私は前に座っている保健室の先生、枝里佳先生に同意を求めた。




「でも、その双子って美男・美女なんでしょう? 」




エリ先生は、足を組みながら笑う。




「そうなの!! あり得ないくらいのイケメンだよ! 」




興奮気味に夏は話す。




そういえば、面食いだったね。夏は。




「柊さんもお人形みたいだったよ…」




私はため息混じりで話した。




「まぁまぁ、あなた達だって充分に可愛いわよ。安心しなさい。それより、由姫ちゃんの腕は大丈夫なの? 」




肩の痛みをすっかり忘れていた。




「あははー、痛く無くなっちゃったよ~」




「まさか嘘だったんじゃないでしょうね? 」




「そんなことないよぉ~、だってほら…」




夏は私の制服の袖をまくり、肩をぐいっとエリ先生に見せた。