「…わかったよ、そこで待ってるから。」
そう言うと、声が聞こえないくらいの距離にある入り口を指差して
そこまで行ってしまった。

…なんか・・沈黙なんですけど。
喋らないの?なんでずっと下向いてるのこの人は・・・。
この気まずい雰囲気嫌なんですけど!!!

「何か話しがあるんじゃないですか?」
しびれを切らした、あたしは
引きつりを精一杯隠した笑顔で問いかけた。

ビクッと反応してゆっくりこちらを見つめてきた。


うん、やっぱりかっこいい。

長身、黒髪、雰囲気が夕貴に似ている。
付き合っちゃおうかな?
告られる前から返事を考えてしまう、
勝気なあたし…。


「あっ!あにょ!!」
…噛んだ。第一声でこの人噛みましたね。

必死に笑いを隠しながら『はい?』と答えた。


「ずっと前から…えっと……」
そこで言葉を詰まらせてしまった。

「えっと……だから…えっと」