心配で、心配で。
柄にもなく気になって。





「…っあ…!」




…見つけた。
一緒にいるのは――…





「…樹里…?」





なんで、樹里と明菜が一緒にいんだよ…?

明菜が体育館の壁にもたれて座り込んで、樹里がそれに詰め寄っているような状況を見る限りでは、良い雰囲気ではないことは確かで。


それを止めようと、
足を進めたとき。





「…じゃあ、
お金をもらってることも…知ってるんですか?

知ってて、何も思わないんですか?」





無意識に、足が止まった。

なんで――明菜が樹里にそんなことを聞く?
樹里は…明菜に何を言った?


明菜は今、何を思ってる?


近付きたいのに、近付けない。
側に行きたいのに、明菜のことを助けに行きたいのに…

その先を知るのが、怖くて――…





『だってあのお金、
慎吾はあたしのために使ってくれるんだから。

慎吾がそういうことしてくれてた方が、逆にあたしにとっては都合良いよ?』