何なんだよ、この女。
女からこんな扱い受けたの、ほんとに初めてなんだけど、俺。
「なあ、明菜」
「だから呼ばないでって…」
そう言いながら振り返った明菜の腕を、ギュッと掴んだ。
俺の突然の行動に、明菜は驚いたような表情をみせた。
「…ダメなの?」
「へっ!?」
…つーか、こいつキョドりすぎだし。
顔を赤く染めて、視線をキョロキョロと泳がせる明菜が、めちゃくちゃ可愛く見える。
「明菜、って呼びたいんだけど」
「…っ」
そんな俺の言葉に、明菜はまた恥ずかしそうに俺から視線を反らした。
…やべ、何だよコイツ…
反応可愛すぎ、だろ…
やっぱり、明菜は違う。
明菜だけは―――違う。
「なあ、」
「…っな、何ですか…?」
「どうしても、ダメ?」
俯く明菜の顔を覗き込み、訊ねる。

![[新連載]君への想い、僕らの距離。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.761/img/book/genre1.png)