何なんだよ、この女。

女からこんな扱い受けたの、ほんとに初めてなんだけど、俺。





「なあ、明菜」



「だから呼ばないでって…」





そう言いながら振り返った明菜の腕を、ギュッと掴んだ。
俺の突然の行動に、明菜は驚いたような表情をみせた。





「…ダメなの?」



「へっ!?」





…つーか、こいつキョドりすぎだし。

顔を赤く染めて、視線をキョロキョロと泳がせる明菜が、めちゃくちゃ可愛く見える。





「明菜、って呼びたいんだけど」



「…っ」





そんな俺の言葉に、明菜はまた恥ずかしそうに俺から視線を反らした。


…やべ、何だよコイツ…

反応可愛すぎ、だろ…


やっぱり、明菜は違う。
明菜だけは―――違う。





「なあ、」



「…っな、何ですか…?」



「どうしても、ダメ?」





俯く明菜の顔を覗き込み、訊ねる。