目の前にずらっとたくさん並べてあるガーゼやら包帯やらを見つめながら、この後の処置をどうしようかと本気で悩んでいた時だった。


その時、突然閉まっていたベッドのカーテンが開いて。





『…何してんの、アンタ。
どっかケガでもした?』





体操着のまま保健室に来ていたのを見て、そう思ったんだろう。


カーテンを開けて姿を現したのは、サラサラの金髪に、耳にはたくさんのピアスを付けた男の人。

身に纏っている制服はかなり着崩されていて、カッターシャツの下には校則では確実に禁止されているような真っ赤なTシャツを着ている。


その上、寝起きが悪いだけなのか、怒っているのか。

そんなことを考えてしまうくらいドスのきいた声を発する目の前の男の人を見て、あたしは思わず椅子から立ち上がり後ずさりしてしまいそうになった。



第一印象は、“怖い”
本当にそれしか頭に浮かばなかった気がする。