ねえ、先輩。
どうすれば、笑ってくれますか?
どうすれば、先輩の笑顔が見れますか?
あたしじゃ…
先輩を笑顔にしてあげられませんか?
「ちょ…っ明菜!?
何して――…」
あたしはギュッと、
先輩を抱きしめた。
先輩の表情は見えないけれど、驚いたように慌ててあたしの身体を無理矢理引き離す。
それでも、あたしはもう一度…強く先輩を抱きしめた。
「――あたしが、いますから…」
「え…」
「あたしがいますからっ…!
先輩は一人じゃないんです。
例え1週間だけだとしても…
あたしだけは、絶対に先輩の側にいます…!
…っだから…
もう一人で、苦しまないでください…!
もう一人で…そんなふうに悲しまないでください…」
例え1週間だけだとしても…
あたしはずっと、先輩の側にいる。
だから、その間だけで良い。
あたしが一番側で、先輩を支えてあげたい。
それがあたしが先輩にしてあげられる、唯一のことだと思うから。

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