恋愛ゲーム



「どうして…

なんで笑いたくない時まで、無理して笑うんですかっ…?」



「…あ、明菜?
いきなり何、言って…」





目、赤いよ。

もっと、弱さを見せて。

もっともっと、あたしに近付いて。





「寂しい時は寂しいって…そう言えば良いじゃないですか…!

あたしは…
あたしは先輩の、笑った顔が好きなんです。


あたしは先輩の笑顔を見ていると…幸せな気持ちに、なれるんです」





あたしの中の先輩は、

いつだって明るい笑顔で。

だけどその笑顔の裏にはいつだって、

こんな闇が隠れていたのかもしれない。





「今の先輩は、笑ってません。
そんな無理して笑ったって、見てて辛いだけです…!


あたしは今の先輩の笑顔を見ても――…幸せな気持ちになんて、なれません」





だって、そうじゃない。

あたしは確かに、先輩のことを何一つとして知らない。
だけど泣きそうな顔をして、笑っている先輩を見るのは…



――…辛いよ…