恋愛ゲーム



だから先輩が、責任を感じるんだ――…





「先輩は…

どうして樹里さんが――彼女が、いるのに…
あたしと付き合ったんですか?」





気付けばあたしは、そう口走っていた。

そんなことが言いたいわけじゃないのに、無意識に言葉は口から紡がれて止まらなくて。





「別に…あたしが先輩のことを好きでも嫌いでもっ…
先輩にとってはどうでもいいことじゃないですか…!

あたしが先輩とたった1週間付き合ったからって…」




足首に触れていた先輩の手に、一瞬力が込められた気がした。

固い表情を浮かべたまま、先輩は何も口にすることはなく。





「なんで…ゲームなんて始めたんですか…
なんで…相手にあたしを選んだんですかっ!

あたし…あたしはっ…!」





知らないうちに、涙が溢れて、止まらなくなってて…


あたしは…

先輩をこんなに好きになるくらいなら…
先輩を想ってこんなに苦しくなるくらいなら…