「ねぇ、あの人かっこよくないっ?」
「あー!本当だ!やば、一目惚しちゃったかもー!!」
…入学式も終わり、何もする事がなかった俺は一人木陰で休んでいた
さっきの不良の先輩達…弱かったな
見た事のない女子達が俺を指差してなにやらニヤけている
中学の時も同じようなもんだから慣れてるけどな
「はい皆さん、各自割り当てられた教室へ向かってくださーい」
そういえばクラス…何処だっけ
俺は重い体を持ち上げてクラスを確認しに行った
「お!龍!探したぜ~?」
龍…ってのは俺の名前
いま俺の名前を呼んだ奴は中学からの仲間、菅原哲哉。明るい性格でかっこよく、俺とは正反対な奴だ
「…おっす」
「相変わらずテンション低けぇなぁ!」
……お前が高過ぎるんだよ
「つか一緒のクラスじゃん?!良かったわーっ!俺結構人見知り激しいんだよぉ。」
俺は一人ではしゃぐ哲哉を適当に流しながら教室を確認した。