それでも、すき。




「――大和の過去の女関係?」


その言葉に
あたしは小さく頷いた。

昨日の出来事を洗いざらい話し、それを聞いた菜未ちゃんが、うーんと首を捻る。


途中、デートって言葉に引っ掛かったのか、少しからかって来た菜未ちゃんだったけど、最後の方は真剣に話を聞いてくれた。

……が。



「…ごめん、中学時代の大和の事はあんまり知らないんだよね。」

「……そうなんだ…、」

「あたしが知ってる限りだと、そのヒトミって子の事は聞いた事ないなぁ。」



どうやら
空振りだったらしい。

香椎くんと仲良い菜未ちゃんなら、何か知ってるかと思ったんだけど…。


しゅん、と明らさまに肩を落とすあたし。

すると、菜未ちゃんが何かを思い出したように声をあげた。



「あっ、そう言えば。」

「……何か知ってるの?」

「うーん、知ってるって言うか…。」

「何?」


問い詰めるあたしに、菜未ちゃんの顔が言いにくそうに曇る。

だからこそ余計に気になった。