そのまま二人で手を繋ぎ、イルカショーを観に行った。
ショーはこの水族館のメインイベントなだけあって、すごい盛り上がり様で。
イルカがジャンプする度
あたしは手を叩いてはしゃぎ
香椎くんはそんなあたしを見てずっと笑っていた。
その後は軽く昼食をつまみ、二人で水の世界を満喫。
幸せで、幸せで。
今日という日が
終わらなければいいのに。
…なんて、口には出さずに心で思ったり。
けれど、そんな密かな願いも虚しく、閉館時間に迫られて外に出れば、辺りはすっかり闇に覆われ街明かりが煌めいていた。
「もうこんな時間か。」
腕時計を見て、香椎くんが呟く。
その瞬間、ふいに胸をかすめてく寂しさ。
わかっているのに
まだ、この手を離したくない…そう思う自分があたしから笑顔を奪ってゆく。
また明日になれば
学校で会える。
わかってるけど…。
やっぱり、寂しいよ。

