けれど、赤く染まる顔を見られたくなくて俯いた先に見えたのは―――。
「イルカショー、始まるよ。」
穏やかな声と
差し出された手のひら。
ゆっくりと顔を上げれば
香椎くんは優しく笑っていて。
「ゆの、行こ?」
重なった手のひらが、抱き合ってる時の温もりより熱くて。
「うん……っ!」
縮まった距離が
あたしの想いを、より強くさせた。
――すき、すき、スキ。
この気持ちに
限界はあるのかな。
毎日、日を追うごとに好きになって
想いは膨らんでゆくばかり。
限界なんて知らない。
終わりなんて考えたくない。
ただ、彼が
香椎くんが笑ってくれてる限り、あたしの想いは消えたりしないんだ。
明日、もっと好きになる。
明日よりも明後日。
ずっと、ずっと
あたしは香椎くんを好きでい続けるから。
だから、繋いだこの手は
一生あたしを離さないでいて。

