何でだろう。
何で、こうなったんだろう。


「あたしさ、委員長と話してみたかったんだよね。」


さっきまでとは違うドキドキに、頭の中は完全にパニックだ。



「聞いてる?委員長。」

「う、うん!き、聞いてます!」

「何で急に敬語なの?ウケるんだけど!」


あはは!と笑う彼女の横で
あたしはかしこまったまま俯いた。

だってどうしたらいいのかわからない。


そんなあたしに、西野さんは変わらず笑って言った。



「ね、友達になろうよ!」

「…と、友達……?」

「うん。ヤダ?」

「うっ、ううんっ!」


まさか、こんな風に言ってくれる人がいたなんて。


友達だとか
親友だとか、そんな言葉

あたしには無縁だと思ってたから。


お腹の底がくすぐったいような、むず痒いような変な感じだ。


でも――――。



「じゃあ、柚果って呼んでいい?」

「う、うん!」

「あたしは菜っぱの菜に、未来の未で菜未(なみ)。」

「…な、菜未ちゃん、」

「菜未でいいってば!」