それでも、すき。



「愛してくれなくてもいーよ!」


遠ざかる背中に、声を張り上げる。



「二番目でもいーよ!」


涙でぼやける視界が、香椎くんの姿を滲ませた。



「遊びでも何でもいーよ!」


あたしは言わなきゃいけない。

この想いを、伝えなきゃいけないんだ。




「それでも、すきだから!」


好きだよ、香椎くん。



傍に居てくれれば何も言わない。




「だからこれだけは、どうかわかって!」




世界で一番、君が好き。


そして―――。




「世界で一番、香椎くんをすきなのは


――あたしだって事!」





そう、この想いは

香椎くんを想うキモチだけは



誰にも負けたりなんてしないんだから。