それでも、すき。



あたしと菜未ちゃん。

そして、瞳ちゃん。


あたしたち3人に、冬の日差しが優しく降り注いでいて。

ホームは次々に人で溢れてゆく。



それでも、瞳ちゃんは言葉を止めなかった。


「だから、あたし訊いたの。」


――突然そんなこと言われても困る。

――好きな人って、誰なの?



それは、彼女として当然の言い分だろう。


あたしが瞳ちゃんとの関係を疑問に思ったのと同じだ。


好きだから、知りたい。

好きだからこそ、聞きたい。


例え、それが傷つく結果になったとしても。



そして、俯いていた瞳ちゃんがふいにあたしへと視線を移した。


「大和、誰って答えたと思う?」


――誰?

そんなの、あたしが聞きたいくらいだ。


香椎くんが本当に好きになった人。

ずっと想われていた人。




すると、瞳ちゃんは戸惑うあたしに言った。

それは予想もしていなかった言葉で。



「……アンタだよ。」

「…え?」



目の前が、真っ白になった。





「――柚果が、大和の好きな人だよ。」