もう、何が本当で
何が嘘かもわからない。
おそらく瞳ちゃんが言ってることは本当なんだろう。
…じゃあ、香椎くんは?
涙に濡れた音楽室。
身を引き裂かれるような思いで告げた“さよなら”の言葉。
『ごめん…。』
香椎くんの言葉は、全て嘘だったの?
一体、何の為に?
シン、と静まり返ったホームに次の電車を待つ人たちが列を作る。
でも、あたしたちは誰もその場から動かなかった。
そして、瞳ちゃんが一歩あたしに近付く。
全てに答えを出すように。
「ねぇ、柚果。」
呼ばれて視線を瞳ちゃんに映すと
「何であたしがアンタをイジメてたのか、わかる?」
そう投げられた質問に、あたしは小さく首を振った。
…わからない。
あんなに仲が良かったのに。
親友だと、思ってたのに。
ちゃんと理由なんて、わかる訳ない。

