そんな日々を繰り返していたある日。
「たまには遊びに行こうよ!」
と半ば無理矢理、菜未ちゃんに放課後を奪われた。
本当は乗り気じゃなかったけれど
テンションの高い菜未ちゃんと居れば、香椎くんのことを考えなくて済む気がしてあたしは素直に彼女の提案を呑んだ。
「ストレス発散と言えば、やっぱここでしょ!」
なんて言う菜未ちゃんに連れて来られたのは、カラオケボックス。
メガネに三つ編みのあたし。
そして、見るからに今時の女子高生な菜未ちゃん。
店員さんが明らかに怪しんでいたのは、言うまでもないだろう。
当の菜未ちゃんは
そんな事微塵も気にする様子もなく、最新曲をノリノリで歌っていた。
一方のあたしは
音楽なんて滅多に聞かないし、カラオケ自体もこれが初めてで。
結局、初のカラオケは
最初から最後まで菜未ちゃんのワンマンステージで終わった。
「んーっ!すっきりしたぁ~!」
約2時間。
あれだけ歌ったというのに、菜未ちゃんはちっとも疲れてるようには見えず。
それどころか、まだまだ元気が有り余ってるように思えた。
そんな彼女に、あたしはただただ感心するばかり。

