嘘だと、言って欲しかった。
別に言い訳をしてほしいんじゃなく、ただ信じさせてくれればよかった。
何を言ったとしても信じる。
信じてみせる。
もう、疑ったり
探ったりなんてしないから。
だから、お願い。
――ガチャン!
と、音を立てグラスがテーブルから落ち、床にアイスティーが広がった。
「お客さま、大丈夫ですか!?」
その音を聞きつけ
さっきアイスティーを持って来てくれた店員が血相を抱え、駆けつけて来る。
店内に居た人がみんな、一斉にあたしを見た。
でも、あたしの視線は別の方向へと向けられていて。
「……何で、」
なんて、無駄な問いかけ。
これが、あたしへの
瞳ちゃんからの答えなのだ。
「……ゆの…、」
香椎くんがここに居る事が
全ての、答え。

