それでも、すき。



瞳ちゃんについて行って着いた場所は、多くの高校生が集まるファミレスだった。

賑やかな店内を、俯いたまま奥へ進んでゆく。


てっきりご飯でも食べながら話をされるのかと思ったけれど、座る席は何故か別々。




「適当に何か注文しなよ。」

と瞳ちゃんに言われ、あたしは戸惑いながらもメニューを開いた。



喉も渇いてなければ
特にお腹だって空いていない。


だけど何も注文しないわけにもいないから、仕方なしに飲み物だけ頼んでおいた。

ところが、これがまた落ち着かなくて。


一人は慣れているけれど、こんな場所に一人で来るのは初めてだ。

そわそわと辺りを見渡しながら、瞳ちゃんを一瞥する。



その瞳ちゃんはと言えば、しきりに携帯を気にしてるように見えた。


…全く意味がわからない。




瞳ちゃんは何がしたいんだろう、そう思っていると

「お待たせ致しました。」

と注文したアイスティーが運ばれて来た。



慌てて店員に反応した、その時。


「――ヒトミ。」


その声が、あたしの全てを制止させた。