それでも、すき。



「――え…?」


言おうとしていた言葉が、一瞬で頭の中から消えた。

その代わりに脳内に響くのは、瞳ちゃんが口にした名前。


でもそれは上手く理解出来ずに、あたしの中で疑問へ変わり。


……今、何て?


呆気に取られ、瞳ちゃんを見つめていると彼女は首を傾げながら眉を潜めた。



「…もしかして、何も聞いてないの?」

「……。」

「話を聞いたから、あたしに用があるのかと思ってたんだけど。」



…意味がわからない。

知ってるって何を?
瞳ちゃんは、何で香椎くんの事を知ってるの?

どうして、“大和”って呼んでるの?



――何で、どうして。


次々に湧き溢れる疑問。



…怖い。
でも、やっぱり知りたくて。



「…瞳ちゃんは、」


聞いてしまえば
傷つくってわかってるのに。



「香椎くんと…どうゆう関係、なの……?」


何故か、口が勝手に動いてしまったんだ。