そして十夜は、一回天井の中に引っ込むと、「よいせっ」と言って床に音一つさせず着地した。


そして服にこびりついていた埃や灰を軽く払うと、「すいませ〜ん、汚くて〜」と私に向かって謝った。



十夜は裾をくくった短めのベージュの色をした袴をはき、上は白い小袖を着ていて、袖を肘まで捲くし上げていた。



現代で言う作業服みたいだ。





十夜は藤姫様からさっき光り輝いた聖石を受け取る。


「じゃあ、僕についてきてください〜」


十夜はそう言うと出口に向かって歩き始めた。


私も立ち上がって十夜の後をついて行こうとすると「待ってください」と藤姫様に止められた。




「音祢、あなたも桜様と同行しなさい。」


その言葉に音祢は目を大きく見開いた。



「わ、私ですか!?」


「ええ、あなたと桜様は同年代でしかも女子同士。桜様の話し相手になるでしょう」



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