「あっ、そうだったわ!!実は藤姫様が深影に話があるんですって。あと………あなたにも」
そう言い、私に大きい黒瞳を向ける少女。
私が「えっ・・・」と不安げに呟くと、少女はあたしを安心させるように優雅な微笑みを向けた。
「大丈夫、多分大した話じゃないと思うわ。」
私はその言葉を聞くと、顔を俯かせた。
やっぱりしっくりこない。
もちろんのこと、私は『藤姫様』という人に一度も会ったことがない。
なのに、一体その人が私に何の話があるのだろう。
「なーんだ、それならさっさと行って、パパッと話を済ませようぜ」
少女の話を聞いた青年はそう言うと、いきなり私の手を掴んだ。
「ッ、おい!!」
私はその行動に驚き、そう声を掛けたが、青年は聞く耳を持たず、私を連れてその部屋を出て行った。
後ろから「ちょっ、ちょっと待ってよ、深影ッ!!」と少女の呼ぶ声が聞こえたのと同時に、私たちを追いかけているのか、バタバタと慌ただしい足音も聞こえた。
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