「参ったなぁ………」
青年はこの状況に困り果て、髪を荒々しくかき回す。
「……とりあえず、藤姫様のところに連れてくか。」
考えたすえそういった結論に達した青年は桜を抱きかかえた。
だが、桜の体重の軽さに思わず拍子抜けしてしまった。
軽ッ!!
えっ、軽すぎないこの子!?
桜のあまりの軽さに驚愕する青年。
さっき立ち上がった時、普通の女より背が高いように見えたが、この軽さだったら平均の体重はないだろう。
そんなことを思われてるとは知らない桜は、青年の腕の中で寝息をたてながら眠り続けている。
青年はそんな桜の寝顔に視線を落とした。
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