───え……
澄んだ鈴の音が聞こえた直後、私はふと我に返った。
すぐに私は手を引っ込め、男と距離をとる。
危うくこの男の手を取るところだった。
一体何をされるか分かったもんじゃない
男は私の手を取り損ねたことに残念そうな表情に変わった。
私はそんな男に睨みを利かせる。
その時、突如激しいめまいと頭痛が私を襲った。
気持ち悪い……
立っていられなくなった私は、その場に頭を抱え屈み込んだ。
『先を越されたか………』
頭上からさっきの男の声が降り注ぐ。
その声からして、男が落胆してるのが分かる。
それは、どういうことだ…
そう問おうとしても、声を上げることもできず、ただその疑問を頭の中で反芻(はんすう)することしかできなかった。
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