ピピピピピピッ
ベットから手が出てきた。
そしてめざまし時計をとめた…。
ベットからでてきた新女子高生。
その名も伊津美眞季(いづみまき)。

…ぼ~っと時計を見る。
7:50ってかいてある…。


…入学式って8:10からだよね。
う~んと伸びをする。
…はッッッ!!!!
「やばい!ちこくする!」
いそいで制服を着る。
鏡をのぞいて…
「はぁ~。今日から高校生じゃぁん。」
ぽ~っとしながら赤チェックのかわゆいスカートをさする。
時刻、7:57。
「ぎゃぁッ!8時になるッ」
階段を駆け下りながら髪をとかす。
足元で愛犬のプーコがきゃんきゃん鳴いてる。
「ごめんプーコ!!今日は朝ごはんがまんしてッ」
いそいで玄関に向かう。
「あっと。わすれてた」
方向転換して仏壇の前に座った。
「今日から高校生だよ。おかーさんおとーさん。」
笑顔の2人の写真に笑いかける。

あたしの両親はすごく仲が良かった。
あたしが中学1年の時…
結婚記念日の夜、2人でドライブに行ったとき、
逆走してきた車と正面衝突した。
病院に運びこまれた時にはもう手遅れで…。

それからはお姉ちゃんと2人暮らし。
お姉ちゃんとは7歳ちがい。
大手会社の社長の秘書。出世すんのはやすぎですよ…。
朝は早いし夜は遅いからなかなか会えない。
ホントに一緒に暮らしてるのかなって思っちゃうよ。笑

時計を見ると8:03…。
家から学校までは10分ほど。
「完璧ちこくじゃん。」
でも入学式だから…あきらめるものか!!
自転車にまたがり、これまでにない猛スピードで
学校に向かった。