「春菜っ」 私は退院する日、病室を訪れた。 春菜もあと数日すれば退院出来るらしい。 「ー…ありがとね」 「…えっ」 「あの時…守ってくれて…感謝してる」 「春菜……」 「…こんな事になったけど…私は…会えて嬉しかった」 春菜は安堵に満ちた表情で笑った。 「うんー…私も」 この事件のおかげで初めて私達は分かち合えたと思えた。