「はは…タイミング良く…現れるね」 苦しそうに壁にもたれ、脇腹を押さえながら軽く微笑む。 桐島君の表情は疲れていて、何だかとても寂しそうに見えた。 「…桐島君、もう…止めよう?私達を憎んだって…傷つけたって…何も解決しないじゃない」 「………原田さん…知ってる?」 「…え?」 「としあき…さ、君の事が…好きだったんだ」 「…っ」 「前田君と…親しかったの?」 菜穂子が後ろから口を開いた。 「俺と…としあきは…幼なじみだったんだ」 「えっ」 「…いつも…二人で遊んでた…なのに…俺は…」