「落ち着いて…ね?降りてきてよ。…大丈夫…だから」 菜穂子がなだめる様に言った。 「クラス皆………誰一人として…助けてくれなかった」 「っ…」 「僕はただ…友達が欲しかっただけなんだ…っ」 「あっ―――………!!」 突風が吹き、フェンスにまたがっていた前田君は大きくバランスを崩した。 「きゃああぁああ」 「前田―――!」 前田君は、まるでスローモーションの様にゆっくりと下へ落ちていった。