「驚いてるみたいだね。 僕が犯人で意外だったかな?」 桐島君は不気味なほど妖艶な笑みを浮かべ、 コートのポケットから光る何かを取り出した。 「…!」 「…怖い?」 桐島君はゆっくりと近付いてくる。 「…どう…して…」 「"どうして"?」 「…っ」 桐島君の表情が一気に変わる。 張り詰めた空気が漂った。 「忘れたとは言わせないよ」 ナイフの固く、冷たい感触が首筋に当たった。 「――……っ」