「…………っ!!!」 背筋が凍る。 背後から男性の低い声が響き、私はゆっくりと後ろを振り返った。 「っ…」 黒いコートを着た深いフードを被った男が不気味な笑みを浮かべ立っていた。 「だ……誰…?」 声が裏返る。 私は後退り、春菜の前まで下がる。 「―…まだ分からない?」 「………え」 男は静かにフードを外した。