「きゃあっ!」 「…雷で落ちたのかしら」 暗闇と外の激しい雨音で恐怖心が倍増する。 「菜穂子ぉ…」 「美咲、何情けない声出してるのよ?」 「だって…」 「春菜を見習いなよ」 春菜は落ち着いた様子で、ライターで辺りを照らしていた。 「ったく…泣き虫は昔のままね?美加探しに行くよ」 春菜の嫌みを聞き流し、春菜の後に続きキッチンを出た。 春菜はめんどくさがり屋の性格で、自ら動くなんて考えられなかったが、今の春菜の頼もしさに心強さを感じていた。