「雄の彼女は愛理っていうの。」

私は、落ち着いたあずさの声に少し嫌な予感がした。
「愛理ってあのミスコンで優勝した!?」

澪香の声が部屋中に響いた。

「そう。愛理はこの私を差し押さえて、文化祭のミスコンに優勝したの。」


ミスコンは年に2回中等部と高等部で行われる。


「えっ!?中学から優勝し続けてるあずささんを?」
あずさに続き澪香が言う。
「今年もあずさが優勝するってほぼ決まってた。だけど愛理が優勝したのはなんでかわかる?」

あずさは中学からモテている。そのせいか情報網がハンパない早さであずさにまわる。


なんで愛理は優勝したのだろうか。

「男・・・。」

え?

澪香が小さな声で囁いた。