「千瀬…起きろ」


呆れた声が教室に響き渡る。

だが…さっきの言葉に返事はなく、さらに大きな声が教室に響く。


「千瀬!!」


それでも、返事はない。

名前を呼び続けていた人は諦めたのか机にへばりついている人の元へ駆け寄る。

また先生に起こされてやがる…今度こそ殴られるんじゃないか??
そう思った俺は俺の前で机にへばりついているヤツを起こす。


「一輝!!」


俺は一輝の椅子を思いっきり蹴り上げる。


「ん~…なんだよ??」


一輝は目をこすりながら子供のような目で俺を見る。
そんな一輝を無視して手で前を指差し前!!前!!と小声で言う、

前??っと一輝は眠たそうに前を向く。。。
もちろん前にはー…


「あ…先生じゃん」


「今のところ聞いてたか??」


先生は腰に手を当て、一輝の顔を覗き込む。
一輝は、げっ!!っと顔をしながら教科書をあわてて広げ笑顔でー…


「もちろんですよ!!」


嘘付け…寝てたじゃん。
一輝は俺に同意を求めて、な??っとピースをして振り向く。
俺に同意を求めるなよ;;


「そうか…じゃあ特別に宿題を出してやる」


は??
あぁ…一輝にね(笑)


「問題集のP32~P35までやってこい。全員だぞ??」


ぇえ!?
何を言ってるんですか…先生!?
クラスのヤツもビックリして驚きの声が廊下まで響く。
反対してるヤツもいたが先生は耳を塞いでクラスを出て行った。

最悪だ。。。はぁ~…また宿題が増えた。

宿題を増やした犯人はみんなに舌を出して「ごめんね??」と悪気のない謝りをしていた。
男子は少し怒っていたが、女子は一輝の笑顔にやられていた。
さすが一輝と関心してしまった俺ww