母さんがお見合いの場所だと言う場所に連れていかれて一時間。

『ねぇ…遅くない?もう一時間も待ってるんだけど…』


内心、遅刻なんて失礼ね。と、思いながら母さんに尋ねた。


「そうねぇ、何かあったのかしら?」

「ごめんね、紗羅ちゃん、紗奈、ウチのバカ息子が…」

紗奈と言うのはあたしの母さんの名前。

そして、母さんの隣にいる物凄く綺麗な人は、
昨日母さんが言っていた母さんの親友であり、お見合い相手のお母さんでもある、

宮中雅さん。


さっき自己紹介をされた。


それにしても雅さん、綺麗な人だなぁ…なんて呑気な事を考えていると


「誰がバカ息子だって?」

突然、聞き覚えのない声がドアの方から聞こえてきた。

間髪を入れずに雅さんは

「遅いわよ!」

と、怒鳴った。

あ…お淑やかなキャラじゃなかった。


「うっせぇなぁ!クソババア」

あれ?
この人…どっかで見た事ある。
学校?

…いや、違うこの人は…







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