男は客が吐き出すタバコの煙りを大袈裟に腕を振り避けながら麻美の前に来た。 『妊婦さんがなにやってるんでずか〜? お腹に赤ちゃんいるのに、そんな靴履いてぇ・・・ お仕事なんて無理でずよぉっっ、悪阻がひどいんでしょぉぉぉお?! んはぁ、んはぁ。 』 担当の店員さんが麻美と男を交互に見ると、 『え? あ? 知り合い? 妊婦してたの? 』 『妊婦なんてしてません!!』 咄嗟に答えてしまう。 眼鏡越しの男の眼球が、一回りくらい大きくなった。