「俺の方が、すごく不安だよ」

淳平が言った。

「彩花の言う通り、本当に無防備で天然だし、俺以外の男と話すほど単純過ぎ」

何もそこまで言わなくてもいいじゃないの…。

自分のことだから認めますけど。

「けど、不安だらけの方がいいんじゃないのかな?」

あたしは首を傾げると、
「よくわからないんだけど…」

「不安な分、知って行くことがたくさんある。

相手のことを知れば知るほど、それなりに喜びはある。

別に不安なままでもいいんじゃない?」

「そう?」

「それに、天然なところも含めて、彩花に一目ぼれした訳だし」

「一目ぼれ?」

淳平は顔を真っ赤にさせると、
「いや、彩花は知らなくていい」
と、恥ずかしそうに言った。

「結構気になるんだけど」

「本当に知らなくていいって!」

真っ赤な顔で、淳平が慌てて言った。

何だかかわいいかも。