淳平がいなくなって戻ろうとすると、
「ぬあっ!?」

あたしは本日2回目のしりもちをついた。

「何も、そんなに驚くことないじゃない」

苦笑しながら東雲主任はあたしを見下ろした。

いや、誰だって後ろにいたら驚きます。

「立てる?」

東雲主任が手を差し出してきた。

あたしはその手をとり、立ちあがった。

「今の、南野課長には内緒ね」

人差し指を唇にあて、東雲主任が言った。

「えっ…ああ、はい」

手伝ってもらったとは言え、手を握っちゃったもんね。

気をつけなきゃ。

「やっぱり、南野課長とできてたんだ」

東雲主任が言った。

「えっ!?

…どうして、それを!?」

「んー?

南野課長の様子を見ればわかるよ、堺だけ見ている目が違うから」

あ、そうなの…。