{霧の中の恋人}


結局、今まで着ていた服を着て浴室をでた。


狭い室内。

置いてあるのは大きなベッドと、テーブル、小さな一人掛けのソファーだけ。


どちらかがソファーで寝るなんてこと出来そうにない。


どうしよう…。


一体、どこで寝ればいいの?


キングサイズの大きなベッドとはいえ、一緒に寝るなんてこと……。



窓辺に佇み、外の景色を眺めていた久木さんがこちらを振り向いた。


ドキリと心臓が飛び跳ねる。


「ひっ、久木さん!
私は床で寝ますので、久木さんはベッドで寝て下さいね!
私なら頑丈にできてるので、床で寝ても大丈夫ですのでっ!」


ひー、声が裏返っちゃった。

動揺しているのが丸分かりだよ!



久木さんから返ってきたのは笑い声だった。