{霧の中の恋人}


大きなベッドの端に、なぜか身を縮めて腰掛ける。


キョロキョロと辺りを見渡したり、そわそわと立ったり座ったり。

ベッドの枕元に”あるもの”が目に入ってしまい、瞬間的に目を逸らした。



──落ち着かない…。

──そうだ、テレビでも点けよう…


ベッドの上をごそごそと移動し、リモコンを手にしてスイッチを入れてみる。


────………!!!


私は、反射的にスイッチを切った。



バスルームから聞こえるシャワーの音が、なぜか卑猥な音に聞こえるのは、ここが普通のホテルや家でないからで、けっして私が意識をしているせいではない。



普通のホテルじゃないんだよね…。

やっぱり早まったかも…。


顔を両手で覆って、自分の行動に後悔し始めていた。