“先生、あたしにふらないでよっ”

「ホラ、南野。そんな後ろのほうにいないで、北条になんか声をかけてやれよ」

「・・・・・・」

“余計なこと言わないでよ・・・”

突然ふられて、なんて言ったらいいのか分からないあたし。


「なんか悪いな・・・せっかく退院したばかりなのに、また病院に来させちまって・・・」


先にクチを開いたのはアイツのほうだった。

「ううん・・・」

「今日は、塾はいいのか・・・?」

「このあとで行っても、まだ間に合うし・・・」

「そっか・・・」

「で、でもビックリした・・・まさか北条くんが入院してるとは思わなかったし・・・」

「俺も、まさか自分が入院するとは思わなかった・・・」

「昨夜は眠れた・・・?」

「いや、痛くて痛くて眠れなくてさ・・・看護師さんに痛み止めの座薬を入れてもらったよ・・・ケツに」

「ハッハッハッ♪♪」