まさか、アイツが入院するとは夢にも思わなかったけど、でも、あたし的にはこれでよかったのかもしれない。

だって少なくともアイツが退院するまでは、アイツと顔を合わさなくても済むわけだし、気まずい思いだってしなくて済むっていうものだから。


それにココロのどこかで、ぶっちゃけ・・・、

“ザマァ見ろ♪ あたしをフッたバチが当たったんだ♪”

・・・って思ってる自分もいる。


とにかく、これでしばらくのあいだはアイツの影にビクビクおびえたりしないで、安心したキモチで学校生活がおくれるワケだ。

ラッキー♪


「それでだな、放課後、北条の見舞いに行こうと思うが、いっしょに行くヤツいるか?」

「はい」

「ハイ」

学級委員の石倉くんやバスケ部の花木くんをはじめ何人かが手を挙げたけど・・・。

「アレ? 南野は手を挙げてないが、今日は用事でもあるのか?」

「え・・・」