一見バカやってるように見えて、実はあたしのことを気づかって、笑わせて励ましてくれてるやさしさが、ホント、オトナの男のヒトってカンジで、なんかよかった。


「イタタタタ・・・」

突然、風間さんがしかめっ面になった。

「どうしたんですか?」

「ガラにもなくカッコつけて“まじめな顔”なんかしたもんやさかい、顔の筋肉がひきつってもうたんや、イタッ・・・」

「フフッ」

「千賀ちゃん、ええ顔してるで♪ その笑顔で学校に戻ったらええ♪ なんか悩み事とかあったら、いつでも相談に来たらええし♪」

「ありがとうございます」

「かまへん、かまへん♪ せやけどな、いくらボクがエエ男でも、ボクに惚れたらアカンねんで♪ それだけは言うとくわ♪」

「ソレはないです、心配しなくても♪」

「アララ」

まるでコントの一場面のように大袈裟にコケてみせる風間さん。

「今のナイスツッコミ!」

「フフフッ」

ありがとう、やさしい鬼の整体師さん―――